気になるポイント

拭くだけでOKですか?
アルコールワッテで安心?
医療機関では、ノンクリティカル(健常な皮膚と接触するものやそのほか環境にあるもので、粘膜とは接触しないもの)に分類される器具や環境表面を酒精綿(エタノールワッテ)で拭き取るのが一般的です。
しかし、器具や環境表面にアルコールを伸ばすだけで、本当に大丈夫なのでしょうか?
アルコールワッテの問題点
エタノールは揮発しますので、消毒に必要な時間、きっちりと表面に接触しているかわかりかねます。
2000年以降、医科分野では、酒精綿の容器内での細菌増殖(容器の中でMRSAが増殖、看護師の指から感染)や、酒精綿のコスト高が認められるようになってきました。
さらにエタノールには脱脂作用がありますので油脂類は溶解しますが、タンパク質を凝固させます。
このような凝固した汚れを、綿だけで器具や環境表面から除去することが可能でしょうか?
洗浄とはそもそも何?
洗浄は、微生物を殺すというよりは物理的に除去することです。
慎重に洗浄を行うことにより、病原微生物の所蔵庫となりかねない埃、汚れ、有機物の塊を環境表面から取り除くことができます。これにより、環境表面や器具表面における(床・ドアノブ・ノンクリティカルな器具・医療機器表面など)病原微生物の絶対量を減らすことができるため、病原細菌が伝染する可能性を減らすことができるのです。
ワッテの問題点
綿は繊維がほどけやすく、拭き取った周囲に綿繊維を残留させることもよくあります。シャーカッセンやドクターテーブルの上に、細かい綿毛のようなものを見たことはございませんか?また、ワッテは水分を吸収することに対しては優れておりますが、汚れをふき取る事に関しては適しているとはいえません。
以下にアクリル板をアルコールワッテで拭いた後に残った繊維を示します。
実際の汚れ除去について
i pod touchの液晶表面を「エタノールワッテ」と「アクセル(洗浄消毒剤のひとつ)&マイクロファイバークロス」で拭いた様子を示します。
下の左写真が汚れた状態です。そして、右が終了した状態です。
エタノールワッテで拭いたのは向かって左側です。汚れは伸びて、エタノールの残留成分と共に汚れが乾燥し付着している様子が認められます。
一方、洗浄消毒剤の一種であるアクセルとマイクロファイバークロスで拭いた表面には、一切汚れ等の残留が認められません。
このように、アルコールワッテによる清拭では汚れが除去できないことが明らかです。